2019年9月12日、突如YahooがTOBによりZOZOの過半数株を取得し、連結子会社化することを発表しました。
その日の夕方5時から会見が開かれ、以下のようなことが発表されました。
・ZOZO社長前澤友作は代表取締役社長を退任し、後任には前取締役の澤田宏太郎氏が就任する。
・これからのZOZOの成長には安定感が重要。トップダウン経営から組織力の経営に移行していく。
・ZOZOとYahooは顧客層が異なり、一緒になることでシナジーが見込める。
・前澤氏「Yahooと一緒になるのがベストな選択」
・前澤氏「月へ行くための準備が必要、会社を数ヶ月休まないといけない。新しい事業をやってみたい。」
・孫氏「新会社は前澤君が社長やったほうがいいのではと言ったが、新しい人生へ行きたいと断られた。彼女とも楽しくやりたいんだろう、前澤君の生きざまがカッコイイ、前澤君はロッカー。」
株価低迷と担保割れ
以下はここ2年のZOZOの株価推移です。2018年の夏ごろをピークに下落に転じました。
前澤氏の保有する株式の9割は借入金の担保として銀行に差し入れられていました。
野村信託銀行株式会社に9,500,000株担保として差入 株式会社三井住友銀行に10,593,300株担保として差入 UBS銀行東京支店に53,664,800株担保として差入 株式会社みずほ銀行に13,500,000株担保として差入 株式会社りそな銀行に3,150,000株担保として差入 Bank Julius Baer & Co. Ltd.に7,000,000株担保として差入 |
2019年2月にはオンワードがZOZOから撤退し、株価は1700円程度まで下落しています。この頃には銀行に差し入れた株券が担保割れしていたと想定されています。
孫社長に泣きついた?
差し入れた株券が担保割れし、銀行から追加担保か、借入金の返済を求められたものと思われます。
そこから身売り先を探し、Yahooくらいしか買ってくれるところはないだろうということで孫社長に直談判に行ったというのが事の真相でしょうか。
前澤氏の社長退任も、銀行から求められていたのかも知れません。
ホリエモンも逮捕前は経営に身が入っておらず、強制捜査の一報を聞いたときも「(吉川)ひなのちゃんに迷惑がかかる」などとつぶやいていたそうですが、前澤氏も月旅行、絵画、剛力などに熱中し、フワフワと気もそぞろに仕事している状態が続いていたのでしょうか。
数年前から週1~2回しか会社に来てなかったようですし。
Yahooの狙い
YahooがZOZOを買う必要があったのかは、よくわかりません。それだけECのテコ入れに必死だということでしょうか。
ZOZOはPB、ゾゾスーツとこのところ立て続けに失敗しています。
販売商品の単価も下がり続けていて、クーポンばら撒きなどの安売り攻勢で売上を維持しているような状態のため、続々とテナントに逃げられています。
国内オンリーで海外の販路もありませんし、特に優れた技術があるわけでもない。
4000億程度なら妥当と判断したのか、真相は不明です。